【ヨーロッパ】聖杯伝説4・ビールと聖杯
緊急事態宣言による外出自粛が日本全国に広がり、移動もままならない昨今。
業務も渡航も開店休業状態。旅先の履歴を書いてはいるが、どんどん遠い過去の事になっていく。
自宅でも出先でもやる事は無くならないので、此れ幸いと知識構築やその他雑務に取り組んではいるが如何せん飽きがくる。
長い人は2月から在宅勤務が続いているらしく「集中力と緊張感がすっかり欠如してしまった」と友人から嘆きの連絡がきた。
充実した生活にはメリハリが必要。働くことも、走ることも動くこともあってご飯が美味しく感じるし、ぐっすり眠る事ができる。
Mr.childrenが以前「世界一のお酒を見つけました それは必死で働いた後の酒です」とある曲で歌っていた。
酒を飲めなかった僕がそれを理解できたのは世界を飛び回るようになってからの事。
というわけで聖杯伝説はビールの話へ。
修道院のビール
ベルギービールは多くが修道院で作られていた。
修道院の収入源にしたり密かに飲んだりしてたらしい。いまでも多くのアビービール(abbey=修道院)があるのはその名残。
なかでもトラピスト派と呼ばれる宗派の修道院で、今でも変わらぬ伝統のもと作られ”トラピストビール”の名を名乗れるビールは世界でも10種類程しか認められていない。
[代表的なトラピストビール]
上記の通り多くがベルギーにあり、修道院の管理下にある醸造所で作られ販売される。
またトラピストを名乗るには厳格なルールがある。
以下wikipediaからの引用だが、主なものは3つ。
- トラピスト会修道院の修道士が自ら醸造するか、修道士の監督の元で醸造されたものであること。
- 修道院の敷地内の醸造所で醸造されていること。
- 販売は営利目的で行ってはならず、収益は修道院のメンテナンスや運営費用に充て、残額は慈善団体に寄付すること。
となっている。
厳格な管理をされているからなのか、手に入りにくかったりあまり出回らなかったりするようだ。
日本でも手に入るものもあるが、ここでは実際醸造所を訪れたウェストマールをご紹介したい。
ウェストマール醸造所
ベルギー北西部にあるウェストマール醸造所。深い森のそばにある。
場所はこの辺り。アントワープから車で30分ほどのところ。
[ウェストマール醸造所]
なんでもここのビールは「死ぬ直前にもう一本だけ飲みたいビール」として名高いんだとか。
kotaro-journal.com
醸造所の対面にレストランがあり、そこではドラフトのウェストマールが飲める。
ベルギービールというと多くがボトル入りで流通しているのだが、醸造所直送なので生ビールが飲める。これが旅の醍醐味。仕事後でもあったし”世界一の酒”と呼べた。
誇らしげに刻まれた”TRAPPIST”の文字。
味は驚くほど滑らか。とても美味しい。ボトルの物だと苦味が残るが、ドラフトにはほとんどそれがない。飲みすぎないように注意した方が良い。
付け合わせに頼んだ自家製のチーズ。
とても濃厚で、濃いビールによく合う。
お土産用にもこのような形で売られていた。
ボトルビールと、グラスも販売されている。
ベルギービールの多くは専用のグラスがある。その大きさと形で飲むのが一番香り高く美味しく飲めるとの事。
トラピストビール グラスの型
お気付きの方もいるかもしれないが、トラピストビールのグラスはどれも”聖杯型”をしている。
諸説あるし、実際は「美味しく飲めるから」らしいのだが、偶然と思えない記述をこの本の中で見た。
【レンヌ=ル=シャトーの謎】
”イエスの血脈と聖杯伝説”というサブタイトルの本。
辞書くらいの分厚さがある聖杯研究の決定版ともいうべき本なのだが、この本の中でトラピストビールの一角を成す、ベルギー南部の修道院の名前が記載されていた。
先の記事で触れた、聖杯の守り主とも言われる「テンプル騎士団」が今やビールで有名な「オルヴァル」という修道院に立ち寄ったと言う。
そのグラスの形は偶然か?
それとも‥
オルヴァルはベルギー南部、フランス国境近くにある。
外出自粛要請のなかではあるが、想像の翼ははるか欧州に。
次回ベルギーに足を運べるのを心待ちにしている。
参考URL :
ベルギービール専門店 ドルフィンズ:大阪|梅田|天満橋|堺筋本町