【 フランス 】スキーリゾートの返金対応に見るお国柄
3月にパリ駐在の友人とフレンチアルプスのLes 3 Vallées(トロワ・バレー)へスノーボードに行っていたのだが、あろうことかゲレンデ滞在最終日にフランス全土のロックダウン開始に当たり、最終日は滑ることなくそそくさとパリへ帰ることになった。
この日はホテルで朝食をとり、荷造りをすべて終え滑るだけの状態でチェックアウトしようとした時に、フロントで「今日からリゾートは全てクローズらしいよ!」と言われた。
僕も友人もウェア姿。ゴーグルも頭につけ今にも滑り出しそうな格好でキョトンとしてしまったことを今でも思い出せる。
すぐにレンタルのボードを返却し返金を受け取り、リフト券も返金しようと向かったところ上の写真のような状態だった。
スタッフに話しかけると、全てwebで対応するからと小さな紙を渡された。返金対応するためのURLが書かれた紙だった。
フランス語と英語が書かれている。
webサイトに飛んでいろいろ入力したのだが、クレジットのアカウントでエラーが出てしまったようで、サービスクライアントからメールが来た。
IBANというのは欧州規格の銀行口座番号。送金できる銀行口座を教えて欲しいとのことだった。
ja.wikipedia.org僕は欧州規格の口座は持っていないので、国際送金可能な銀行口座で良いか聞いて了承を得た。
だが調べれば調べるほど日本の銀行の海外送受金手数料が半端じゃなく高いことを知り、結局香港にある銀行口座番号を伝えた。日本の銀行よりも手数料がだいぶマシだった。
そして後日、それでも跳ね返って返ってきたのでどうしようか?というメールが来た。
このフォームに記入してくれとのこと。
クレジットカード口座経由で、もう一度返金をトライしてくれるらしい。
英語があるので難しくはない。最後のFait le:は記入した日付。
これを記入して送付後、すぐにメールが来てクレジットアカウントを見ると返金が完了していた。スキーリゾートを離れて3ヶ月後の事。
驚くべき根気強さ
返金されたのは3日券の最終日1日分、62ユーロだった。3日券で180ユーロぐらいだったのでちゃんと返金されている。(リボ払いは年会費削減対策)*1
驚いたのはその丁寧さというか、辛抱強さだった。返金を待つ僕の方は半ば諦めていた。
やっぱり欧州内の口座じゃないと面倒なんだろうな‥パリに住んでる友人のとこに振り込んでもらおうかな、、、などと考えていたのだが、丁寧に何度も連絡をくれて、結果返金してくれた。
この辺りの感覚がフランス人特有。義務と権利に対して、非常に厳格に対応する。
使っていないのだから、返金するのは彼らからしたら当たり前なのだろう。
翻って日本はけっこうこういうところが曖昧なケースが多いと思う。
仕事として対応するには大変な部分もある。
世界で一番めんどくさいのはフランス人だとよく言われるし、権利の主張が激しいのは、世界一ストライキを頻発する航空会社がエールフランスであることを例にとればわかりやすい。
けれどメリハリがきいているというか、彼らにとっては当たり前なのだろうが、曖昧さが蔓延する日本人の僕にとってはとても新鮮な出来事だった。
季節外れの雪山ネタ
もう雪降る時期ではないし、記事にするのは季節感を無視するようなのだが、返金対応してくれたし、せっかくの機会なので今年滑ってきたフランスのスキーリゾート「Les 3 Vallay」を少しご紹介したい。
www.les3vallees.com場所はこの辺り。南フランス、スイスとイタリアの国境付近。
パリからは車で6時間くらいかかった。昔冬季オリンピックを行ったアルベールビルの近くと言えばわかる方もいるかもしれない。
スキー場の表記がgooglemapsに出てこないので、板をレンタルしたお店を中心にした。
大都市だとリヨン(フランス )、ジュネーブ(スイス)、トリノ(イタリア)辺りになる。*2
”les 3 valley=3つの谷”という意味の名の通り、谷3つに跨った広大なゲレンデ。
世界でも5本の指に入る大きさのゲレンデらしい。
至る所でアルプス山脈を望める絶景。
3000m前後と標高が高く、森林限界より上なため木が無い。
岩場でなければこの景色全ての場所を滑走することができる。
またお気づきかもしれないが雲が下にある。
このゲレンデの優れているところは面倒なアクセスリフト(登り坂を越える無意味な連絡リフト)がなく、ほぼ全ての場所へ滑ってアクセスできる事だ。
結果朝食後、夕食まで口にしたのはチョコレートバーと水だけで、あとはずっと滑ってるという修行僧のようなストイックな経験をすることになった。
専用アプリで走行履歴を見ると縦横無尽に山谷を駆け抜けたことが見て取れる。
1日に66kmも滑ったのは初めてだった。
足はガクガクだったが、夕食はとても美味しかった。
現地サボワ地方の郷土料理。チーズが美味しい。
この日滑ってきた雪山を見ながら、ゆっくりと時間を過ごした。
ゲレンデサイドのレストランは山小屋の佇まいだった。